FX,初心者

為替相場の時間帯ごとの特徴【手法や通貨別の考え方も解説】

FXの相場は24時間動いていて、いつでも取引ができます。

でも実はそれぞれの時間帯ごとに値動きの特徴があり、手法次第ではこの時間帯というものは無視できない重要なものになるんです

この記事では、為替相場の時間帯の特徴と、手法から意識すべきことをまとめます

為替相場の時間帯は主に4つ

出典:http://www.lfx.jp/market-oceania.html

上記の図は、世界中の為替相場が開いてる時間ですが、これは大きく分けると3つの時間帯に分けられます

  1. オセアニア市場:オーストラリア付近の市場。一番最初に開く。朝4時-12時あたりまで。
  2. 東京市場:アジアの市場。相場が活気付く最初の時間。朝9時-16時くらいまで。
  3. ヨーロッパ市場:ここらから値動きが激しくなる。16時-0時くらいまで。
  4. アメリカ市場:いわゆるゴールデンタイム。21時-4時くらいまで

これらの大きな市場が連続して、24時間稼働している感じです

それぞれの市場の特徴を下記にまとめます

オセアニア市場の特徴

日本時間でいう早朝に開く市場です

大抵の日本人は、ここは寝てるか?起きてても朝の準備で忙しいか?であまりチャートに向き合わないと思います。

世界でみても、欧米勢はちょうど市場が閉じてる時間なので、取引量は少なく、値動きも大きくはありません。

そのため、分足でみるとカクカクとした動きが多くなります。

よって、あまり短期的なトレードはおすすめできません。

日足が更新される時間帯なので「今日はどういう戦略で行こう?」などと考えるのにはオススメの時間です

ちなみに、2019年頭にあったようなフラッシュクラッシュなどの相場の急激な変動や、大口による仕掛けはこの時間帯に起こることがおおいです。

相場参加者が少なく、取引量も少ないため、仕掛けやすい(大きな取引をいれると相場が動きやすい)からと考えられています。

なお、この時間に取引する通貨は、豪ドルやNZドルなどがおすすめです。

東京市場の特徴

朝の9時ごろに開きます。ここらへんから値動きが活発になります。

とはいえ、多くの日本人は仕事してる時間なのであまり取引はできないでしょう。欧米勢も寝てる時間です。

よって、値動きはどちらかというと緩慢。レンジ相場になることが多いです(オセアニア市場よりは動きます)

また、朝の9時から昼にかけては動くのですが、それ以後は値動きがゆるゆるになりがちです。

もし東京時間にトレードする場合は、午前中に絞るのが効率がいいかと。

また、毎日チャートをみてて感じることは「東京時間は前日の欧米時間の値動きをサポートしがち」ってことです

前日の欧米時間で上昇トレンドの場合、その調整局面に東京時間がきがち。いわゆる押し目や戻りをつけるための波動つくり。だからレンジになりやすい。

そんで欧米時間オープンと同時に、東京時間の値動きをブレイクしてトレンド発生みたいな。

  • 前日欧米時間がレンジ→翌日東京時間もレンジ
  • 前日欧米時間にトレンド発生→トレンドが伸び切ってる場合、調整局面に東京時間が来ることが多い。トレンド発生したての場合、東京時間でもトレンドが継続することが多い

という感じです。

なので、前日の欧米時間の動きをみて、それに従うのが良さそうです。

この時間に取引するのにおすすめの通貨ペアは以下です

  • ドル円
  • 豪ドル円:東京時間とオセアニア時間は重なるので動きが活発です
  • その他クロス円

ヨーロッパ時間の特徴

値動きが活発になりだす時間です。

実は、4つの市場の中でいちばん取引量が多い時間帯なんです。アメリカではなくこっちがいちばん大きい市場です。(40%ほどを占めています)

特にユーロ、ポンドが動きます。ポンドは場合によっては殺人的に動きます。

値動きの特徴としては、「東京時間でつくったレンジをぶち抜いたあと、そっちへのトレンド形成を期待させといて突然反転する」です

要は、一回ダマシをいれてからの反転です。

これ、ポンド系をメインにかなーり多いので、スキャやデイトレしてる人は注意です。

逆に、ここでトレンド形成した場合、一方通行に動くことが多いので、波にのれれば稼ぎやすいです。

アメリカ時間の特徴

いちばん指標などが多く、値動きが暴れる時間帯です。

基本的な値動きはヨーロッパ時間と変わらず、

  1. 短期足の場合ダマシが頻発する
  2. そのあとできる波は素直

って感じです。

ヨーロッパ勢と重なる午前12時まではよく動き、午前2時以降は少し落ち着く傾向にあります。

日本人にとっては、自宅にいる時間なのでいちばん取引がしやすい時間ですね。

どの通貨ペアも動きます。

欧米市場はサマータイムに注意

東京市場では関係ありませんが、欧米市場には、サマータイムがあり、時間が1時間ほどズレます。

そのため、要人発言の時間もズレたりするので、今は夏時間なのか?冬時間(標準時間)なのか?をチェックしておく必要性があります。

そうしないと「あれ?雇用統計って22時じゃなくて21時だったの!?」などと、雇用統計真っ只中にポジっちゃうなんてことが起きます

雇用統計:めっちゃ動く重要指標です

なお、いつにサマータイムが適応されるのか?などは使ってる証券会社によりけりなので、事前に確認しておくといいです

(だいたいはメールなどでお知らせがきます)

為替市場が休みになることもある

24時間オープンしてる為替相場ですが、市場がお休みの場合もあります。

ただしくは、為替相場はオープンしてますが、祭日などでお休みになる市場があるということです。

  1. 年末年始:どこも休み
  2. クリスマス:欧米は休み。マジで動かなくなる
  3. ゴールデンウィーク:東京時間は寝動きが小さくなる(欧米時間は関係ない)

などなど。

とくに、欧米市場が休みの場合は、無理に取引をしない方がいいでしょう。

市場の休日はこちらのサイトで確認できます。

(各証券会社でもまとめてたりしますよ)

為替市場の時間帯が切り替わるタイミングに注意

さきほどまとめた4つの時間帯ですが、切り替わるタイミングには注意です。

とくに、

  • 東京時間からヨーロッパ時間に切り替わる時
  • アメリカ時間に切り替わってアメリカ勢が入ってくる時

は値動きが暴れることが多いです。特に前者。

このタイミングで、新規ポジションをもつのはおすすめしません。特に短期トレードであればあるほど。

前の時間帯ですでにある程度利益がのってるポジションなら持ちっぱなしでもいいのですが、そうでない場合は手仕舞いして様子見する方が安パイです

なぜ時間帯の切り替わりで相場が荒れやすいのか?

理由は3つほどあります

  1. そのタイミングで決済(新規注文)が入りやすい
  2. ストップ狩りが行われる
  3. 指標が多い

決済が入りやすい

機関投資家含む多くの短期トレーダーが、時間帯の切り替わり時に決済をします。

持ち越しリスクを避けるためですね。

逆に、つぎの時間帯に属するトレーダーは新規ポジションを持ちます。

このことから、注文と決済が錯綜することで荒れるわけです。

ストップ狩りが起こる

さきほど書いた、ポンドにありがちな一瞬大きく動いてそのあと逆にバイーンっていうのがそれです

ぼくらには見えませんが、銀行などからはぼくらがどこに損きり(ストップ注文)をいれてるかは丸わかりなんです。

そのため、時間帯が切り替わったときに、そのストップ注文をクリーンアップしてから思惑通りに動かすわけですね。

FXは誰かの損は誰かの利益になるわけですが、その多くは一般大衆の損失を大口が利益にしています。

  1. ストップ狩りが起こると、例えば売りの損きりは買い注文なので一旦お大きく相場が上振れます。ここで売りの損きりを巻き込んで大口の買い注文が利益になります。
  2. 一般大衆はここで買いだ!と新規買いポジをいれます。今度はストップ(決済の売り注文)がたまります
  3. そのあと、大口は売り注文を一斉に入れて、大衆の買いのストップを巻き込んで下落させてウハウハ

という感じです

わかりにくいと思うので、軽く動画で説明しました。

指標が多い

指標カレンダーをみてみると、大きい指標は時間帯の切り替わりのときにあることが多いです

なので、このタイミングはデイトレ以下の短期トレーダーの場合はノーポジにしておくが吉なのです

【手法別】おすすめの取引する時間帯

この時間帯ですが、手法しだいでいつやるべきか?やらないべきか?があります。

手法といっても千差万別なので、ここでは大きく以下の4つに分けて考えます。

  1. スイングトレード :4時間足以上
  2. 長期デイトレ:1時間足(1日程度保有)
  3. 短期デイトレ:5分や15分足(数時間程度の保有)
  4. スキャルピング:1分5分足

スイングトレードにおすすめの時間帯

ありません。笑

正しくいうと、スイングトレードは大きな値幅を狙うので、時間帯にはこだわる必要性がありません。

時間帯が切り替わるときの値動きの荒れも、スイングトレードでは誤差の範囲です

長期デイトレにおすすめの時間帯

これも、どの時間帯でもいいです。

でも、時間帯の切り替わりタイミングで新規ポジションをもつことはあまりおすすめしません。

1時間足レベルだと、ダマシが起きることもあり、一瞬の値動きで20pipsほど動いて損きりされるって可能性はあります。

また、雇用統計やFOMCなどの大きな指標時に新規ポジションをもつこともおすすめしません。理由は同上です。

同じく、大きな指標時に、あらかじめもっておいたポジションが利益がでてない、または含み損がある場合は、手仕舞いしておく方が安パイです

短期デイトレにおすすめの時間帯

欧米時間がおすすめです

でも「時間帯が切り替わるタイミングでポジションをなくしておく」ことをおすすめします。

このレベルの短期トレードだと、損きり幅は10pips程度になるかと思いますが、これは一瞬の荒れで刈られる値幅です

なので、利益が十分にのってて、損きりラインを建値にずらして放置してるってポジションでない限り、時間帯の切り替わるときや指標時にはノーポジにしておくべきです

なお、東京時間は値動きがゆるいことが多いので、このレベルの取引だともたついてしまうことが多いです

スキャルピングにおすすめの時間帯

  • 初心者:東京時間
  • 上級者:欧米時間

です

スキャルピングは数pips抜くだけなので、値幅は必要ありません。

しかし、損きり判断も早くする瞬発力が必要です

そのため、値動きが大きくなり、ダマシも多くなる欧米時間だと、ローソク足の挙動に振り回されてしまいがち

上級者なら、うまく立ち回れると思いますが、初心者はへんな興奮状態になってギャンブルになってしまうことが多いです。

そのため、初心者は値動きが小さく、よくも悪くも安定してる(だからレンジになりやすい)東京時間がおすすめです

【通貨別】おすすめの為替相場の時間帯

時間帯は通貨ごとでも選べます。

カンタンにいえば、その時間帯の地元通貨がいいよってことです

そうでない場合はあまり値動きが活発でないことが多いです

オセアニア時間

  1. 豪ドル
  2. ニュージーランドドル

これに関係するペアがおすすめです。

具体的には、AUD/USD,NZD/USD,AUD/JPY,NZD/JPYなどなど。

東京時間

  1. クロス円前半
  2. オセアニア通貨

ですね。

クロス円:JPYとの通貨ペアのこと

具体的な例とあげれば、ドル円、ポンド円、ユーロ円などです。

また、オセアニア時間とも被ってるので、豪ドル系も動きます。

ヨーロッパ時間

  1. ポンドペア
  2. ユーロペア

です。

ユーロドルやユーロ円、ポンドルやポン円などが活発です。

アメリカ時間

ほぼ全てのペアが動きます

FXの取引する時間帯を決めておこう!

FXは24時間できるので、1日中チャートをみてることもできます。

が、それをやると余計なトレードを増やし、負けやすくなるし、手数料などのコストも増えます。

FXは損失レシオの方が高いゲームなので、やればやるほど大数の法則的に負けに向かいます。

大数の法則:回数をこなすと一定の確率に収束する法則。FXは上か下かなので50%と思いきや、手数料などがありマイナスにまずなるので50%では負けることになります

とくに、デイトレーダーやスキャルパーなどの短期トレーダーの場合は、回数や時間帯を決めないと、何度も何度もやってしまいがちです

自分はどの時間帯に、何回までトレードするのか?をしっかり決めておくことで、集中力もあがりますし気持ちよく相場に向かえるのでおすすめです

FXの時間帯とかペアとか回数とかめんどくさいってあなた

そんなあなたは、スイングトレードをすることをおすすめします。

スイングトレードなら、時間帯やペア、回数を気にする必要性はなくなります。

必然的にトレード回数も、チャート確認の時間も減りますので、混乱しません。

ぼくは現在日足のスイングトレードがメインなので時間帯も指標もペアも回数も一切気にしていません。日足レベルだと、大局があってれば多少の値動きの暴れは吸収しますので、雇用統計も気にしていません。

チャンスは減りますが、レバレッジを抑えて取れるときに大きく利益をとっていけるので実は長い目で見ていちばん儲かるのはスイングトレードだと思います

手法の参考にしているのは以下の書籍です

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それぞれにあった時間帯で、適切なトレードをしていきましょう!